【翻訳会社の元正社員が回答】TOEIC900あれば翻訳の副業で月20万稼げる?【現フリーランス】
- 翻訳業界ではTOEICのスコアが重要視されていない理由
- TOEIC900点を超えていればフリーランス翻訳者として月20万稼げるか
- TOEIC900点を超えていれば翻訳の副業ができるか
について翻訳会社の元正社員が解説します。
東大などの有名大学を出ていれば、就活で有利なようにTOEIC900点を超えていれば、就職先や副業の選択肢は広がります。
なので、TOEICのスコアは高ければ高いほど良いのは間違いないです。
でも、フリーランスとして翻訳の仕事をしていくのであれば、TOEICのスコアはあまり関係ないのが現実。
TOEIC900点を超えていても、副業として月20万円を翻訳で稼いでいくことは決して簡単ではありません。
現在は翻訳の仕事も受注するフリーランスとして、これから翻訳の仕事をしていきたいと思っている方に向けて翻訳業界について紹介します。
英検1級、TOEIC955点。技術分野に特化した翻訳会社にて正社員として営業とコーディネートを担当していました。機械分野の社内通訳・翻訳を経て現在フリーランス2年目。
【前提】翻訳は専門性が問われる業種、英語力はあって当然
翻訳は「TOEIC満点?だから何?」という業界。
専門性×翻訳の技術×経歴で勝負する世界です。
漢字検定1級を取得したら、新聞記者になれるか?小説が書けるか?と聞かれたら、そうではないのと同じです。
英語の試験の結果がどうであれ、その英語力で翻訳ができるかは、向き不向きや、才能にも影響されます。
私が翻訳会社でコーディネート(在宅の翻訳者さんに翻訳の仕事を依頼する仕事)をしていたときは、
- 海外の大学院でその分野の研究を10年以上していた人
- その業界で30年働いていた人
- その業界の翻訳を5年以上している人
などに翻訳を依頼していました。
TOEICのスコアを確認したことはありません。
英語力があることは大前提です。
TOEIC900点だろうが980点だろが、翻訳ができれば、どちらでもいいというのが本音。
どの翻訳者さんに仕事を依頼しよう?という段階では、専門性と経歴が重視されます。
扱う案件にも左右されますが、私が勤務していた技術分野に特化した翻訳会社で活躍していた(月20万円以上の収入を得ていた)翻訳者さんの平均年齢は50歳くらいだったようにも感じます。
Q. TOEIC900点を超えていればフリーランスとして月20万円稼げる? A. 困難を極める
結論、専門分野が無いのであれば翻訳一本で食べていくのは難しいです。
英検1級保持・TOEIC955点のアラサー女子である私が、国内最大規模の翻訳者ネットワーク「アメリア」 の求人で書類が通った確率は80%くらいです。
書類審査は、ほぼ通りました。
でも、それはTOEICとか英検はおそらく関係なくて実務翻訳を1年経験していたのと、翻訳会社での勤務経験が影響していると思っています。
翻訳会社から仕事を受注する際は、トライアル(試訳)に合格することが必須。
トライアルで質のいい翻訳文が提出できなければ、翻訳会社に登録されません。
翻訳会社に登録できても仕事がもらえる保証はなく、登録できた3社のうち、すぐに仕事がもらえたのは2社でした。
アメリア経由で応募した書類審査から翻訳の初仕事をもらうまでは最短で1ヵ月くらい。
試訳を提出してから2~3ヵ月ほど結果が出ない会社もあるのですぐに稼げるようになると期待しない方が良いです。
また、単価が低いので、月20万円を翻訳だけで稼ごうと思うと本当に大変…。
翻訳会社で勤務していた時に請求書を触っていましたが、安定的に(半年以上)月20万円以上稼いでいた翻訳者は数人。
物理的に(翻訳スピード的に)他社からの案件と合算しても、月20万円いかないであろう翻訳者が大半でした。
翻訳者の多くが登録している翻訳ネットワーク「アメリア」とは
翻訳者ネットワーク「アメリア」 は、翻訳の仕事に関わっている人の多くが一度は登録する(もしくはずっと在籍する)翻訳者の登竜門のようなサービス。
\メアドと名前だけで資料請求/
資料請求者対象の入会特典抽選でAmazonギフト券5,000円がもらえる!
私もフリーランス1年目の2020年の間はアメリア会員でした。
前半の3ヵ月くらいでお仕事がいくつか決まったこともあり、1年契約のうちの半年くらいはあまり利用しなかったのが本音。
しかし、翻訳の仕事をしていきたいと思っている方は、情報誌Ameliaやコンテスト、定例トライアルなどを積極的に活用していくのがおすすめ。
アメリアの料金体制
入会金 5,500円+年会費 16,500円 = 初年度合計:22,000円 (税込)
初年度約2万円で仕事がいくつか決まって、コンテストに参加できたり、最新情報も手に入るなら安いですよね。
ちなみに、私は入会して4ヵ月目にはアメリア経由の仕事で元が取れました。
詳しくは【アメリアってどう?】定例トライアルB判定→翻訳の仕事はGETできた!情報誌の内容も紹介の記事をご覧ください。
Q. TOEIC900点を超えていれば在宅の副業として翻訳をすることはできる? A. できる
トライアルに合格できない
翻訳会社にから仕事が来ない…
と悩んでいる方も、ランサーズやココナラ などで翻訳の仕事を直接受注する手があります。
単価が低いことは覚悟する必要があります。
その分、翻訳会社経由の仕事より質や経験が問われない傾向があります。
TOEIC900点を超えている方であれば、翻訳でお小遣い稼ぎができるはず。
翻訳は経験が問われる業界なので、経験を積むために利用するのは悪くないと思います。
翻訳にこだわらないのであれば、英語指導の仕事などもココナラ 始めることができます。
しかし、翻訳で安定的な収入を求めていくのであれば翻訳者ネットワーク「アメリア」 経由で翻訳会社に登録して、定期的に翻訳の仕事を受注できるようになる(リピートされるようになる)のが理想だと思います。
在宅の英語指導についても気になる方は【元英会話講師】ネイティブキャンプの日本人講師になる?採用試験を受けてみたの記事もぜひチェックしてみてください。
Q. TOEIC900点を超えていれば、社内翻訳の仕事はできる? A. 契約社員・派遣の仕事は豊富
翻訳の経験を積むために、社内翻訳の仕事をするのはおすすめ。
都心はもちろん、工場や大きな会社の本社があるような田舎の需要も高いように感じます。
雇用形態が契約社員や派遣社員であれば、未経験OKの医療翻訳や実務翻訳の仕事がたくさんあります。
業務内容が翻訳だけの正社員の求人は少なかった印象。
翻訳一本で身を立てようとせず、外資の秘書や海外営業部の仕事など、翻訳・通訳の機会が多い正社員のポジションを狙うのもいいかもしれません。
私自身が、「家から徒歩で通える距離で、英語がちょっと使える仕事がしたい」と選んだ海外営業部の庶務(TOEIC600点くらいあればいい業務)を選んだ末に、翻訳・通訳の仕事を任されるまでに至っています。
TOEIC900点を超えていたことで社内通訳の仕事ができた経験については【TOEIC950レベルの英語力と難易度】TOEIC900点の価値と勉強時間を英検1級と比較の記事で紹介しています。
また、社内翻訳は未経験でも時給2,000円から始められる仕事が多いです。
フリーランスで翻訳をするより、派遣社員として翻訳の仕事をする方が収入は安定すると思います。
翻訳のポジションに就くのが難しい方や、外資や海外営業部で働こうと思っている方は、まずビジネスメールを英語で打てるようになっておくといいかも。
おすすめ本は、仕事で英文メール!頼れる本は『ビジネスで1番よく使う英語Eメール』の記事で紹介しています。
Q. TOEIC900点以下でも翻訳の仕事ができる? A. 務まらない
TOEICのスコアに関係なく、試訳の出来がよければ翻訳会社に登録できるのは確かです。
でも、社内翻訳(会社に直接雇用されて翻訳を行う)の仕事をしたいという方であれば、履歴書に書いてあるTOEICのスコアによって書類審査の結果が左右されるはずなので、TOEIC900点は取得しておきたい。
また、翻訳の仕事を継続受注している翻訳者がもしTOEICを受験したら900点がとれるくらいの英語力が最低限あるはず。
TOEICのスコアが800点以下で、翻訳が上手な人はいないでしょう。
なぜなら、TOEICではスラングは入ってないし、専門性も求められてなくて、純粋にビジネスで最低限使う英語しか出題されないけど、翻訳はそんな狭い範囲の仕事ではないからです。
ちなみに、私がかじっている機械分野の日英翻訳におすすめな本は『機械を説明する英語』は文系の実務翻訳・通訳者の強い味方の記事で紹介しています。
【まとめ】TOEIC900点あれば、翻訳の仕事はできる
この記事では、翻訳会社の元正社員であるフリーランスから見た翻訳とTOEICスコアの関係について解説しました。
TOEIC900点取ったからと言って、いきなりフリーランスとして翻訳で食べていける人はいないでしょう。
しかし、翻訳を任される仕事に就いたり、副業として翻訳で稼いでいくことは十分可能です。
翻訳者になるためにまずはTOEICのスコアを伸ばしたいと思っている方は独学でTOEIC900点の壁を突破!勉強法とパート別おすすめ教材10選の記事も合わせてご覧ください。
当ブログが翻訳の仕事がしたいと思っている方の参考になれば幸いです。