【ジブリの原作5冊】英語レベルはどれくらいか【まずは魔女宅をぜひ!】
ジブリ映画が好きな方は、原作で英語の多読や多聴を楽しみませんか
内容を知っている洋書は、分からない単語を一旦飛ばして読み進めてもストーリーについていきやすいので挑戦しやすいですよ。
この記事ではジブリ映画の原作5タイトルの英語の難易度・特徴をまとめています。
オーディオブックの目次のスクショも公開しているので、原書を読むか朗読を聴くか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ジブリ映画の原作、英語の難易度
Lexile | 紙本 | Audible | |
アーヤと魔女 | 760 | 144頁 | 1時間11分 |
魔女の宅急便 | 670 | 208頁 | 4時間45分 |
思い出のマーニー | – | 288頁 | 3時間18分 |
ハウルの動く城 | 800 | 448頁 | 8時間57分 |
ゲド戦記 | 920 | 288頁 | 8時間9分 |
Lexile指数を見る通り英語(語彙)のレベルは、魔女の宅急便が一番低く、ゲド戦記が最も高いです。
思い出のマーニーのLexile指数は出ていませんが、主観では魔女宅より若干高い680くらいかなと思います。
Lexile指数についてはこちらの記事をご覧下さい。
『アーヤと魔女』英語の難易度
2021年8月27日に公開された劇場版「アーヤと魔女」の原作。
「Earwig」は主人公の名前なんですが、日本語では「アーヤ」と名付けられいることが気になって調べたところ、
EARWIG(=ハサミムシ)には人に取り入って操るという意味があることから主人公の女の子にこの名前がつけられ、田中は日本語版で彼女をアーヤ・ツール(=操る)と名付けた。
イントロダクション┃『劇場版 アーヤと魔女』
と映画の公式サイトに記載されていました。
名前がこんなに素敵に翻訳されているので、原書と訳書を読み比べたくなる作品です。
原作者は『ハウルの動く城』と同じダイアナ・ウィン・ジョーンズ。
英検やTOEICでは見かけることがないファンタジー系の単語が出てくるので、英単語のレベルは低くないです。
しかし、1冊がとても短いので(オーディオブック版は朗読1時間)知らない単語もどんどん読み飛ばしてザックリ読む分にはとても読破しやすい児童書でした。
挿絵が可愛い本なので、洋書初心者さんには読む読書をおすすめします。
『魔女の宅急便』英語の難易度
角野栄子さんの『魔女の宅急便』は『Kiki’s Delivery Service』というタイトルで英訳されています。
日本人作家の作品を、あえて英語で読むのも楽しいですよ。
Kindle版は200ページ・オーディオブック版の朗読は4時間を超えているので、決して短くはないですが、シンプルな単語が使用されているので洋書初心者さんにもおすすめできます。
わからない単語があってもストーリーについていきやすい展開で、映画と似ている流れなので、英語力に多少自信が無くてもジブリ映画を見たことがある人はきっと楽しめます。
Kiki’s Delivery Serviceのオーディオブック
英語音声のオーディオブックは声優さんの声が、とっても可愛い!
少しゆっくりめの朗読で、抑揚も程よい感じに付いていて聞き取りやすかったです。
オーディオブックがとても好みだったので、私はKindle本もすぐに購入しました。
Kindleなら分からない単語もすぐ調べたりハイライトを付けることがることができるので、洋書初心者さんは紙の本より、読み進めやすいですよ。
オーディオブックもKindle本もアメリカ版のAmazonで購入すれば、Whispershync for voiceも利用できます。(Kindleアプリでオーディオブックの再生が可能、朗読箇所にマークが入る機能)
『思い出のマーニー』英語の難易度
『When Marnie Was There』は、映画のメッセージやストーリー展開がよくわからなかった人に読んでほしいです。
『魔女の宅急便』は英語を母国語とする小学3-4年生でも楽しめる内容で英単語もかなりシンプルでした。
『思い出のマーニー』は小学校高学年~中学生くらいが手に取ることを想定しているような語彙レベルだと感じます。
When Marnie Was Thereのオーディオブック
ジブリ映画の雰囲気とは違う雰囲気の効果音が数か所(話の変わり目)に付いていて、私は戸惑いが隠せなかったです。
『アーヤと魔女』や『魔女の宅急便』のように一直線に話が進んでいかないため、「ながら聞き」すると話に置いていかれてしまうかもしれません。
『ハウルの動く城』英語の難易度
「ハウルの動く城」を映画館で見たときは、原作とあまりに内容が違って驚きました。
ハリーポッターほどではないですが、英語の難易度は高め。
文量もあるので、映画を見て内容を知ったつもりになって洋書に手を出すのはおすすめできません。
しかし、日本語版を読んで内容を把握してから英語版を手に取ると読破するハードルを一気に下げることができます。
英語力に自信が無い方や、「洋書を読み始めたけどあまり内容が頭に入ってこない」と感じた方は日本語版を読んでから挑戦してみてください。
Howl’s Moving Castleのオーディオブック
紙の本やKindle版では各章のタイトルが
- In which Sophie enters into a castle and a bargain
- In which Howl expresses his feelings with green slime
- In which the moving castle moves house
と、内容がわかりやすくなっている一方で、オーディオブック版では「Chapter」表示になっているのが唯一の残念な点でした。
オーディオブックを聞き流して楽しむ人には支障はないですが、紙の本を読みながら音声を流して英語学習したい方には使いにくいかもしれません。
『ゲド戦記』英語の難易度
「ゲド戦記」の原作は Tales From Earthsea シリーズ第3巻の The Farthest Shore (『さいはての島へ』)です。
ハリー・ポッターより英語が難しいと感じました。
英検やTOEICの勉強をしているだけでは出会うことのない単語がたくさん出てきますので、ファンタジー系の洋書を単語を調べながら読破してきた方でないと苦戦すると思います。
The Farthest Shore (The Earthsea, Book3) のオーディオブック
ジブリ映画の「ゲド戦記」が好きで、原作のオーディオブック版を購入しましたが、あまり楽しめていません。
何周か聞いてやっと概要がわかったかなというレベルなので、Kindle版を買って単語を調べながらしっかり読みたいと思っているのが本音です。
ちなみに、著者アーシュラ・K. ル=グウィンの絵本Catwings(村上春樹訳『空飛び猫』)は個人的にとてもおすすめ。
英語力に自信があってもなくてもぜひ読んでみて欲しいです。
【番外編】『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』英語の難易度・あらすじ
スーザン・ネイピアさんのインタビュー記事では
著者は熱狂的な宮崎ファンでありつつ、よくある作家論や、海外のジャパニメーションへの憧憬といったレベルを飛び越え、一見子供向けの宮崎作品に潜む「闇と光」の正体に鋭く迫った。
スーザン・ネイピアさん「ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光」インタビュー 巨匠の世界観の深淵に米研究者が迫る(文:ハコオトコ)
と紹介されているMiyazakiworld。
ジブリ映画を一通り見ていて、各作品の登場人物の名前が一通り把握できている方は楽しめると思います。
それぞれの章で各作品の制作過程や考察がまとまっています。
1冊全部読まずに、気になる作品の章だけを読んでも楽しめる本です。
- 天空の城ラピュタ
6章:Orphans of the Sky - となりのトトロ
7章:Umbrellas in the Haunted Forest - もののけ姫
11章:The Faces of Others - ポニョ
14章:Rich and Strange
「トトロ」の制作中に「サツキはいい子すぎる。実際に存在するとは思えない」と言われたとき、宮崎駿が「サツキは過去の私だ」と答えたというストーリーが印象的でした。
個人的にはスタジオジブリを立ち上げる前の宮崎駿の経歴も興味深かったです。
「Mother’s Complex」ではなく「Mazakon(マザコン)」と言っている箇所も面白かった。