【洋書の難易度】Lexile(レクサイル)指標を英検・TOEICに置き換えた英語レベル
自分の英語力に適している洋書探しの目安になるLexile(レクサイル)指数について解説します。
洋書を数十冊か読破している人であれば、数値を気にせずに「読めそう」「難しそう」という感覚を持っていると思います。
でも、まだ「読めそう」な感覚が持てていない洋書初心者さんにはきっと参考になるはずです。
この2ステップだけでも英語多読の挫折を減らし、最後まで英語で楽しめる洋書との出会いを増やすことができますよ。
この記事では、自分の読解力(Lexile指数)をより正確に把握する方法や、有名な洋書のLexile指数一覧も紹介しているので、ぜひ英語の多読・多聴にご活用ください。
Lexile(レクサイル)指数とは
Lexile(レクサイル)指数は、
- 個人の読解力(英文を読む力)
- 文章の難易度(語彙・文法などの英語レベル)
を表す数値です。
通常は400L、800Lなど、数字にLを付けて表記します。
※当ブログではLを省略して数値だけを記載しています
自分のレベルに合っている洋書は「マイナス100~プラス50」
自分のLexile指数からマイナス100~プラス50が最適とされているレベルの洋書です。
Lexile指数1000の方であれば、Lexile指数900~1050の洋書が合っているということになります。
参考
- Lexile公式サイト:About Lexile Measures for Reading
- Amazon:Lexile指数とは?
【STEP1:自分の読解力を数値化】英検・TOEICから換算するLexile指数
下記2サイトを参考に英検・TOEICから予測されるLexile指数を図にしましたが、個人的にはあまり正確な数値ではないと感じています。
参考
- 日本英語検定協会公式サイト:英検・TEAPに関する読解度指標であるLexile指標を用いた検証(Lexile® Measurement of Tests: EIKEN & Test of English for Academic Purposes)
- Amazon「英語 難易度別リーディングガイド」
この図の通りであれば「英検2級のリーディングレベルがTOEIC600と同じくらい」ということになりますが、英検2級を取得している小中学生の英語力がTOEIC600と同等であるとは考えにくいです。
そもそも全く異なる資格試験と数値であることを念頭に、大まかな目安として捉えるのがいいでしょう。
ちなみに、英検1級(R690)、TOEIC955点(R460)の私の場合、この図ではLexile指数1200前後となります。
しかし、過去に読んだ洋書のLexile指数を約100冊ほどエクセルにまとめてみた体感としては、1000くらいが妥当かなと感じています。
【バイリンガル教育の参考】ネイティブスピーカーの指数
上図はアメリカの1年生~12年生(小学1年生~高校3年生)の指数です。
バイリンガル教育をしている方は、TOEICや英検の換算表ではなく、こちらの数字の方が参考になると思います。
参考 GC&T公式ウェブサイト:Lexile®指数
【STEP2:洋書の数値を知る】Lexile指数の調べ方
洋書のLexile指数の調べ方は下記2通りあります。
- Amazonの商品ページを見る
- Lexile公式のFind A Bookのページで検索する
日本人の英語多読に人気な洋書の多くはLexile指数が測定されていますが、すべての書籍に数値が付いているわけではありません。
Lexile指数が測定されているのは有名な書籍に限定されており、新刊などの数値は調べることができないことが多いです。
また、『不思議の国のアリス』など、初版・最新版(現代の言葉に合わせて編集されている本)・絵本(幼児用に編集されている本)と複数の書籍が出版されている場合は、同じタイトルでもそれぞれの本でLexile指数が異なります。
「なんでこんなに数値が高い/低いんだ?」と感じる本も少なくないので、絶対的な数字だと思わない方が賢明です。
①Amazonの商品ページを見る
Amazonで調べると、実際に自分が買おうとしている書籍のレベルがすぐにわかるので便利。
紙の本の商品ページ内「対象読者年齢」「本の長さ」と同じ箇所にLexile指数が表示されています。
本によっては表示されないので注意。
②LexileのFind A Bookのページで検索する【PC推奨】
Amazonの商品ページでは表示されていなかったけど、Lexile公式ページで調べると数値が出ているということがよくあります。
AmazonよりもLexile公式ページで検索した方が早いことが多いです。
スマホに対応していないようなので、パソコンからアクセスしてください。
ジャンル別に自分の読解力(Lexile指数)を把握すると洋書選びがスムーズになる
自分の数字からマイナス100~プラス50の本が推奨されるレベルです。
Lexile指数1000だと思っている私の場合は、900~1050の洋書が合っているということになります。
しかし、アメリカの会社が設定したLexile指数は、日本人の体感とかなり差があることも少なくありません。
私の場合はビジネス書は900以下だと簡単に感じる一方、魔法使いやドラゴンが出てくるようなファンタジー物は850を超えてくると難しく感じることが多いです。
これは過去に勉強してきた単語や、読んできた洋書(英文)の偏りによって生じる誤差だと思います。
そこで、当ブログではジャンル別に自分が読める洋書のLexile指数を把握することをおすすめします。
過去に読んだ(挫折した)洋書のLexile指数をジャンル別に並べるとどれくらいの数値の洋書が自分にあっているかの目安になりますよ。
Lexile指数:ビジネス書の例
日本で受験英語・英検・TOEICの勉強をしてきた私にとっては、ビジネス書はなじみがある単語や文体が多いです。
そのため、1100くらいまでは洋書を読むことができます。
1200を超えてくると英語で読んでもイマイチ頭に入ってこないことが多く、日本語で読みたくなってきます。
→自伝やビジネス書なら1050~1200くらいが合っていて「950以下は肩の力を抜いて読める」「1200以上は難しく感じる」という目安にしています。
Lexile指数:ファンタジーの例
呪ったりワープしたりするファンタジー系の単語は、受験英語でもTOEICでも「頻出単語」として掲載されていません。
絵本や児童書を英語で読んでこなかった日本人にとっては、見慣れない単語や表現が多いはずです。
私の場合、800を超えてくると細部が楽しめていないことがほとんど。
700くらいだと英語で読んでも面白いんですが、800を超えてくると日本語で読んだ方が楽しめます。
→ ファンタジー系は700~850くらいが合っていて、「700以下は英語でも楽しめる」「850以上は日本語で読みたくなるはず」という目安にしています。
各ジャンルで把握したうえで、ザックリと目安も出せる
上図はあくまでも私の一例ですが、ジャンル別に自分が難しく/簡単に感じる数値を把握した上で
- 1200以上は難しい
- 700以下は楽しめる
というような目安も出すことができます。
【補足】Lexile指数の付いている2文字のコード
Lexile指数の数字の前に2文字のコードが付いていることがあります。
それぞれの意味を知っていると洋書選びに便利。
特に英語絵本でよく見かける「AD: Adult Directed」「BR: Beginning Reader」と、大人のやり直し英語に向いている「HL: High-Low」はぜひ頭の片隅に置いておいてください。
コード要約
- AD: 読み聞かせ向き(大人が補助して子供が読むのに適している)
- BR: Lexile指数0以下の本(BR50であればマイナス50という意味)
- HL: 大人のやり直し英語に最適(対象年齢よりも英文の難易度が低い)
- NC: 英語力/読解力が高い学生向き(英語は難しいけど内容は読者の年齢に適している)
- GN: マンガ(吹き出しがある。絵がある分、理解しやすい)
- IG: 図解がメイン(専門分野の難しい単語は絵や表で補助されている)
- NP: 詩、散文(理解度を数値化できないため”NP”として記載される)
参考 Lexile公式サイト:About Lexile Codes
【AD: Adult Directed】読み聞かせなど大人が補助して子どもが楽しむのに向いている本
『The Very Hungry Caterpillar』(『はらぺこあおむし』)など、まだ文字が読めない/文章の理解度が追い付いていない子どもに大人が読み聞かせをするのに適している本にはLexile指数に「AD」コードが付きます。
ADコードが付いている絵本は【はじめての英語絵本】英語が効率よく学べる絵本おすすめ4選【読み聞かせに最適】の記事で詳しく紹介しています。
【BR: Beginning Reader】まだ英文が読めないレベルでも安心な本
Lexile指数0以下の絵本はBRで示されます。
マイナスの表記だと考えるとわかりやすいと思います。
BR50の『Good Night, Gorilla』(『おやすみゴリラくん』)は、「Good Night, 〇〇」以外の英文はありません。
「Good Night」という挨拶と絵だけなのに、大人も楽しめる面白い展開でおすすめな絵本です。
『Good Night,Gorilla』は電子図書館「Open Library」にて無料で読めるのでぜひチェックしてみてください。
Open Libraryの利用方法はこちらの記事で記載しています。
【HL: High-Low】大人のやり直し英語に向いている洋書
Lexile指数を基準に考える対象年齢よりも、本の内容が難しかったり、大人向きな場合にHLのコードが付きます。
例えば、『The Martian』(『火星の人』)はHL680です。
Lexile指数680は、ネイティブスピーカーの場合は小学3-4年生くらいが対象年齢となります。
しかし、実際は(子どもも楽しめるけど)大人向きな小説なのでHLが付いています。
英語に自信がないけど、児童書ではなく大人向きな洋書が読みたいと思っている方はHLコードが付いている洋書を探してみるといいかもしれません。
【NC: Non-Conforming】英語力/読解力が高い学生向き
Lexile指数は高いけど、本の内容はLexile指数に相当する対象年齢よりも低めな本に「NC」コードが付きます。
読書家で英語の多読に慣れている小中学生には、NC表記の本がぴったり。
例えば、Classic Startssシリーズの『The Wind in the Willows』(『たのしい川べ』)はNC830。
830という数字だけを見ると小学校高学年(12歳)くらいが対象年齢のように思われますが、実際は小学校低学年(7歳)くらいから楽しめる本です。
【GN: Graphic Novel】マンガなので数字が高くても楽しめることが多い
全米図書賞児童文学部門2020年ノミネート作品の『When Stars Are Scattered』(『オマルとハッサン』)はマンガタイプの本なのでGN530と表示されています。
絵を追うだけでも内容が理解できるので、コードが付いていないLexile指数530の本よりもずっと読みやすいです。
【IG: Illustrated Guide】百科事典など図解や絵、表が豊富な本
バイリンガル育児をするならIG表記がある本も家に数冊置いておきたいですね。
『My Encyclopedia of Very Important Animals』(『これだけは知っておきたいどうぶつ図鑑』)はIG770です。
いくら絵があるとはいえ、770という数値の通り、決して簡単な読み物とは言えません。
日本語版に動物の名前は英語で併記されているので、個人的には英語版ではなく日本語版の方が使いやすいと思います。
【NP: Non-Prose】詩や散文など理解度が数値化できない英文
詩や散文など、理解度が数値化できない読み物はLexile指数の数字がなく、「NP」とコードのみで表記されます。
ABCを学ぶための絵本『Dr. Seuss’s ABC』は、「英文」が書いてあるのではなく「アルファベット」と単語の本なのでNPとなっています。
英字新聞・洋書のLexile指数一覧
英字新聞の指数は、日本英語検定協会公式サイト「英検・TEAPに関する読解度指標であるLexile指標を用いた検証」のPDF「Lexile® Measurement of Tests: EIKEN & Test of English for Academic Purposes」を参考にしています