【エドガー・アラン・ポー入門】英語学習者におすすめの本・無料プリント・サウンドトラック
「エドガー・アラン・ポーを英語で読みたい」と、いざ原書を開いてみたら、英語の難易度が高くて即挫折。
佐々木直次郎訳の『モルグ街の殺人事件』を読んでみたら、難解で日本語でも楽しめず…苦手意識をずっと持っていたポーの作品。
オーディオブック「Classis Love Poems」の中に収録されていた詩「Annabel Lee」を聴いてから、ポーへの興味が一気に高まり、無料のサウンドトラックを聞きながら金原瑞人さんの翻訳を読んでから、すっかり夢中になりました。
無料の英語プリントも活用しながら、オリジナルの原文に挑戦するようになったので、ポー初心者の英語学習者向けにおすすめの本を紹介します。
エドガー・アラン・ポー初心者には金原瑞人さん訳『モルグ街の殺人』『ポー怪奇幻想集』がおすすめ
有名どころを押さえるなら『モルグ街の殺人』
佐々木直次郎さんの訳がどうこう…ではなく、昭和26年(1951年)に書かれた日本語は、平成以降に生まれた人にとっては読みにくい。
そこで、おすすめしたいのが、2002年に発売された金原瑞人さん訳の『モルグ街の殺人事件』。
有名どころが収録されているので、ポー入門にうってつけです。
収録7作品
- 黒猫
- ウィリアム・ウィルスン
- アッシャー家の崩壊
- 赤死病の仮面
- 大渦にのまれて
- アモンティリァードの樽
- モルグ街の殺人事件
全ページカラー!数ページで完結の短編を楽しむなら『ポー怪奇幻想集1』
ポーの作品を絵を見ながら楽しみたい方におすすめなのが『ポー怪奇幻想集1』。
ダビッド・ガルシア・フォレスが怪奇ゴシック感あふれるユニークな絵でポーの世界を描いています。
詩のアナベル・リーが含め、収録されている4作それぞれが数ページなので、原文と読み比べたいと思っている方には特におすすめ。
長いと途中で挫折しちゃうけど、これくらい短いと頑張れます!
収録4作品
- 告げ口心臓
- 楕円刑の肖像画
- アナベル・リー
- 赤死病の仮面
先ほど紹介した岩波少年文庫の『モルグ街の殺人』同様、金原さん訳。両者に収録されている「赤死病の仮面」を同じ翻訳者さんの文章で読み比べるのも、楽しかったです。
どんなに冷酷非情な人間でも、触れられれば感情を刺激される部分を心に持っている。生も死も冗談にすぎないような、すべてを失った人間にも、冗談ですまされたくないことがある。
『モルグ街の殺人』「赤死病の仮面」岩波少年文庫(2002年)
どんなに無関心な人間にも、心にはさわられると痛いところがある。生も死も冗談にしか思えない失意の人間にも、冗談にされたくないことがある。
『ポー怪奇幻想集1』「赤死病の仮面」 原書房(2014年)
There are chords in the hearts of the most reckless which cannot be touched without emotion. Even with the utterly lost, to whom life and death are equally jests, there are matters of which no jest can be made.
The Masque of the Red Death (1842)
10年以上経ってから翻訳しているのと、本の形態に合わせた文章にしているからか、翻訳の雰囲気が違いますよね。
読みながら聴きたいサウンドトラック
SoundCloudでは、『ポー怪奇幻想集1』に合わせたサウンドトラック「iPoe Collection」が無料配信されています。
霧がかかったような雰囲気なのに、どっしり、しっかり印象に残る音楽でお気に入り。
ここから先は、ぜひこのサウンドトラックを再生しながら読んでください。
原文を英語で読むならKindle版『The Complete Tales and Poems』がおすすめ
エドガー・アラン・ポーの作品は、Project Gutenbergでも、Amazonでも無料のKindle版があります。
例えば、The Tell-Tale Heart and Other Storiesは、AmazonのKindle版が0円。
主な収録作品
- 告げ口心臓
- 黒猫
- モルグ街の殺人
- アモンティリァードの樽
- アッシャー家の崩壊
- 赤死病の仮面
- ウィリアム・ウィルソン
- 大鴉
結構いいラインナップなので、今までは無料版で満足していました。
でも、先ほど紹介した邦訳2冊の作品をすべて網羅するには、無料のKindle本が4冊くらい必要に…。
「この中のどれかに収録されている」と毎度、それぞれの本を開いて目次を確認するのが煩わしくなったところで、購入したのがThe Complete Tales and Poems。
ポーのオリジナル文が読みたくなったら、この1冊を開けば事足ります。
1冊に集約されたことで、「この一文だけ原文が気になる」という時に面倒くさがらずしっかり調べるようになったので、英語学習効果はバッチリです。
275円で古典の英語が読めて、さらにKindleの辞書機能も使えるなんて安いと思いませんか。
英語版エドガー・アラン・ポーのおすすめオーディオブック
エドガー・アラン・ポーの作品を英語で聴きたい方におすすめのオーディオブックがEdgar Allan Poe The Complete Works Collection。
目次が作品名ではなく、チャプター番号なのが残念。
目次のPDFがダウンロードできますが、番号か1~2つズレているのも不満に感じています。
しかし、これもまた1冊でポーの作品が全て聴けると思うとやはり便利。
参考までに、紹介した翻訳書に収録されている作品のチャプター番号を記載しておきます。
32 | 告げ口心臓 | The Tell-Tale Heart | 〇 |
13 | 楕円刑の肖像画 | The Oval Portrait | × |
114 | アナベル・リー | Annabel Lee | × |
23 | 赤死病の仮面 | The Masque of the Red Death | 〇 |
オーディオブックは定価3,700円なので、Audible会員が毎月付与されるAudibleコインで引き換えるか、無料体験でもらえる1冊目に選択するのがおすすめです。
なお、「Annabel Lee」に関しては、リチャード・アーミテッジ朗読のClassic Love Poemsに勝るオーディオブックはありません。
日本のAmazonでは定価900円ですが、アメリカでは聴き放題対象なので、アメリカのAudibleを利用している方はぜひ聴いてみてください。
月額7.95ドルで1万冊以上聴き放題!
【無料】英語のワークシートで単語と英文の理解度をチェック
アプリを制作しているiClassics公式ページでは、『ポー怪奇幻想集1』『ポー怪奇幻想集2』の英語版のワークシートが無料で配布されています。
イラストと文章をマッチさせるクイズや、単語リストを楽しめるので、好きな作品だけでも見てみてください。
リンク先のFree Activities EdTechのページ(緑に囲ったボタン)からダウンロードできます。
加島祥造さん訳の『ポー詩集』(対訳なので英語学習者にはとってもおすすめ!)と、金原さん訳の『ポー怪奇幻想集1』を読み比べた後なら「Annabel Lee」のクイズは簡単かと思いきや、有料アプリiPoe-1のイラストを見ていないと答えられない問題がありました。
今は本だけで我慢していますが、いつかアプリも買ってしまいそう…。